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~キャラクエ創作劇場~モミジ4『目指す場所』

※モミジのキャラクエ3のアフターにあたり、ネタバレを含みます。











モミジが姉の想いを知った日から数日が過ぎた。
モミジの様子は……変わったような、変わらないような、という所だろうか。
元々、努力家で、真面目で、向上心の塊のような彼女の相変わらず、一番であろうとすることに対する意志は変わらない。
それでも、かつての焦燥、強迫のような危うさはなく、むしろ、常に誇れる自分でありたいと研鑽しているように見える。だとしたら、きっと、それは自分にも、姉にも、だろう。
だからか、今朝方ウメから一通の便箋がモミジ宛に届いた。
配り方は団長によって違うというが、そういうものは検閲として、どこの騎士団であれ、執務室に届けられる。
内容は開封していないのでわからないが、なんとなく、想像はついている。
コンコンと力強いノックの音が響く。
「団長、モミジです。・・・・・・よろしいでしょうか?」
伺う声に「あいよ」と応じると、開いた扉から鎧に身を包み、愛用の銃剣を背負ったモミジが現れた。
「団長、私に渡すものというのはなんですか?」
単刀直入に切り出すモミジにウメからの便箋を無造作に投げて渡す。
「ウメさんから? ……失礼します」
モミジが堪えられないといった様子で断ってから丁寧に封を切る。
読み進めるに合わせ、モミジの顔が信じられないといった風に歪んでいく。
「ウメさんからの、挑戦状でした」
なんとなく、予想はついていたが、「ほぅ」と感心した風にしてやる。
「で、どうするんだ? 受けるのか?」
「いえ。」
モミジが短く、ハッキリと答えた。
本人が認めることはないだろうが、ウメが花騎士として、一種の到達点、一番であるのは間違いないだろう。
「なぜだ?」
「これでは挑んだ時点でウメさんに負けてしまいます。私の焦燥を見抜かれ、今度は気まで使っていただいた。これでは、剣の腕で勝った所でウメさんには到底、勝てません。」
姉の言葉を知るまでのモミジであれば、到底、出せる言葉じゃない。
まったく、託された言葉を聞いただけでこんなになるんだから本当に託し甲斐のある花騎士だよ。
「花騎士として、剣の腕はもちろん、磨き続けます。騎士として、強くないといけませんし、お姉ちゃんに恥じない花騎士でありたいと思っています。でも、花騎士に大事なものは剣の腕だけじゃないと思います。」
感心して聞き入る俺にモミジが想いとも、誓いとも取れる言葉を紡いでく。
「それにきっと、お姉ちゃんも、私のことを見ながらウメさんに憧れていたんだと思います。だから、お姉ちゃんと一緒にウメさんを目指します。それは剣の腕だけじゃない、優しさや気高さ、誇り高さ、副団長としての実務能力、数えたらキリがないですけど、いつかウメさんと肩を並べたい、ウメさんのようになりたいと思います。」
まぁ、そうだろうな、とは思う。
花騎士として剣を振るうものなら誰だって、ウメに憧れる。
剣の腕はもちろん、その志や誇り、高潔さといった精神の強さも兼ね備えた彼女にはきっと、モミジの姉も憧れていたことだろう。
「その日が来るのを待っているよ。ウメと同格の花騎士が副団長なんて誇らしい話はないからな」
俺の騎士団で一番になることと花騎士として一番になることが同じものではないと気付いたあの日の焦燥と根は同じものなのかもしれない。
実際問題、そこまでの弱小ではないつもりだが、精強というにはいささかとなく、足りないのが現状だ。
だからこそ、煽るような、挑戦するような、言葉を投げかけると、
「はい。団長も、私の自慢の団長で在り続けてください。」
力強く頷き、迷いのない溌溂とした声で共闘を求められてしまった。
まぁ、ウメを擁する騎士団長ほどの用兵の心得や俺自身の強さというのはおそらく、ない。
もし、ウメが俺の下に就く。そんなことになったら、きっと、毅然としてはいられないだろう。
ウメを擁してなお、毅然と導いていける。
そのくらいの実力と自信、そして、信頼される団長、か。それは、憧れるな。
「私も、団長も、目指す上がありますから……一緒に邁進していきましょう。」
そんな思いを見透かしてか、モミジは少し照れくさそうに、しかし、ハッキリとした声で宣言した。
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コメント

No title

・・・ブラ・・・
ブラボォォォォオオ!(突然の奇声)これは良いSSですね!読んでて久々に面白い物が見れました(意外と言うと失礼ですがWillさん凄いです)花騎士のSSは自分も書こうと考えた事がありましたが中々実現せず
(元々話があるので書きづらい・・・)自分もいつか書きたいものです(なお文章力)
モミジは自分も所持していますが・・・これはキャラクエ近日中に見ないと・・・

なおウメさんはチーズケーキを焼いていた模様(キャラクエにて)
でも周りから尊敬や目標にされるウメも常に前にいるサクラを見て彼女を
目標にしながら頑張ってるので強い人でも目標はあるものです。
(その部分が個人的にウメさんの好きな所ですw)

Re: No title

HOZUさん
コメントありがとうございます。
こういうこと考えてそう、とか、こう見られてそうとか考えるの好きなんですよね。
キャラ間の関係はあっても、関係が出てない所は想像し放題ですし、国家や時間軸の設定上では並ぶはずのない並びとかの
関係性みたいな感じは特に好きです。
また思いついたら書きます。

モミジのキャラクエはシリアス寄りですが、いい話なのでオススメです。
ウメとサクラの関係性も素敵ですよね。
ああいう高め合う好敵手であり、親友でもあるっていう関係はいいですよね。
ウメもまた、自身にとって道半ばであるというのは大きな魅力だと思います。
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プロフィール

will

Author:will
艦これ、花騎士、GE、MH、ポケモン等結構いろいろやってます。
で、分けるとか、絞るとかするの面倒なんでごった煮です。
ついて来れる話題についてきたらいいと思います!
あ、絵心ないし、テキストメインだしで白が眩しいですが、仕様です。
イメージは愛犬。

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